PROJECT

THEME

古墳・石室を対象とした3D・CTスキャンデータに基づく認知的解釈

代表者
鹿又 喜隆(文学研究科)
分担者
  • 野村 俊一(工学研究科)
  • 藤澤 敦(総合学術博物館)
  • 石橋 宏 (埋蔵文化財調査室)
  • 鹿納 晴尚(総合学術博物館)

INTRODUCTION

本研究は、考古学、建築学、保存科学、心理学、情報科学の融合研究である。古墳が主な対象であり、特に本学が所蔵する島根県鷺の湯病院跡横穴墓が対象となる。金属製品や木製品を含む副葬品は1920年代に東北大学に運ばれ、博物館に保管された。金属製品の保存処理では、保存科学の技術が応用され、本学の埋蔵文化財調査室の協力で実施された。

また、副葬品は、本学の総合学術博物館のX線CTによって分析され、内部構造が把握された。また、ガラス玉などの副葬品のXRFによる元素分析や構造分析が実施された。鷺の湯病院跡横穴墓で発見された家形石棺は発見後、近くの小学校へ移設された。我々は、SfM法を使って測量し、3Dデータを取得した。副葬品と石棺の特徴は、6世紀後半から7世紀前半にかけての文化的、社会的、血縁的関係を示している。今後、古墳内外の構造に関しては、考古学と建築学、環境地理学の視点から、その特徴を把握する。そして、人間の視覚に関する心理学的な視座も応用する。取得された大量のデータを効率的かつ安定的に処理するために、情報科学的手法を用いる。こうした分野横断的研究によって、近年蓄積が進んでいる大容量3次元データ等と統合し、新たな視点と実践法を提示したい。